染師・青乃助藤妄の個展「青鬼の息づかい」の開催まで、いよいよあと1週間。本日は、会期中に会場で展示販売される作品を一部、ご紹介します。

写真からでもゾクゾクと伝わるこの美しさ……。ぜひ実際に会場でご覧いただきたいものばかりです。
また、藤妄さんの在廊は、以下を予定しています。
3/20(木・祝)ライブパフォーマンス〜 17:00
3/22(土)13:00〜18:00
3/23(日)14:00〜21:00)
3/27(木)13:00〜18:00)
3/29(土)13:00〜18:00)
3/30(日)14:00〜21:00)
作品に込められた想いや、制作にまつわるストーリーなどを直接伺えるこの機会、ぜひ足をお運びください。
◎向こうを見る布(38,500〜74,800円)
妖怪や先祖、神、誰かの感情……。向こうにいるかもしれない彼らに「存在していいよ」「安心して笑っていいよ」と、言葉ではなく、布や空間、環境を通して伝える布。
素材は、透け感のある蚊帳生地や、誰かとともに生きた証の残る古布を採用。恥ずかしがり屋は、1枚布を隔てれば安心して笑えたりする。目に見えない存在と暮らす道具に、布を。

左から「向こうを見る布 暖簾型」(66,000円/麻(蚊帳生地)/サイズ:160cm×152cm)「向こうを見る布 のぞきあな」(74,800円/麻(古布)/サイズ:104cm×71cm)

左から「向こうを見る布 藍の目」(57,200円/麻( 古布)/サイズ:91cm×44cm)「向こうを見る布 すきま」(52,800円/麻(古布)/サイズ:92cm×43cm)
◎絵(11,000〜36,300円)
染め液をかき混ぜながら均一な状態にする際、藍甕の中央にぐるぐると泡が集まり、それが固形化して、藍の色素を持った消えない泡となる。それを「藍の華」という。
染師は、染め液の調子や藍の年齢などを判断する材料として、この藍の華を見る。そう、藍の華とは、人間でいう顔のようなものなのだ。
この作品は、藍の華を手の指にとり、その場にいる見えない存在たちの息づかいを感じながら、黒谷和紙に藍の魂を宿していったもの。本作品と対峙すれば、「見ている」ようで「見られている」こともある、そんなことを考えるかもしれない。

「絵 額入り」(36,300円/サイズ:47.5cm×40cm)
◎頭陀袋(47,300円)
僧侶が托鉢という修行に出る際、首から下げているのが頭陀袋。ここには、唯一持つことを許された最低限の持ち物「三衣一鉢」が入れられている。
グラデーションの美しさが際立つこの頭陀袋は、バッグ等の制作を行う「零」の村上さんとのコラボレーション作品。

「頭陀袋」(47,300円/綿麻)
◎ふんどし(7,260円)
青乃助藤妄が妖怪となる際に身につけるふんどし。藍の抗菌力と綿の通気性、そしてゴムの締め付けがないふんどしは、最強の下着でもある。

「ふんどし」(7,260円/綿)
◎手ぬぐい(4,950〜7,260円)
日除けや思わず鴨川に足をつけたくなる衝動にかられたときなど、いざという時に役立つ万能アイテム・手ぬぐい。
「綿」は、柔らかい肌触りが特徴。「苧麻」は、シャリっとしたコシのある素材で、夏に涼しさを求めるにもうってつけ。「大麻」は、匂いの元を防ぐ制菌性があり、冬は首に巻くことで暖もとれる。

左から「昭和初期シャトル織り機 大麻手ぬぐい」(7,260円/大麻/サイズ:35cm×100cm) 「昭和初期シャトル織り機 苧麻手ぬぐい」(6,380円︎/苧麻/サイズ:37cm×100cm) 「綿手ぬぐい」(4,950円/綿/サイズ:39cm×100cm)
◎大判の印度綿ストール(13,200円)
柔らかな印度綿で、なかなかお目にかかれない大判のストール。暖簾や埃除けにも使えるので、ストール以外の可能性も広がる。

「大判の印度綿ストール」(13,200円/綿)
◎藍数珠(5,060〜7,260円)
日本語の言葉には、音は同じで、異なる意味を持つ言葉が多い。神と髪、意志と石、酒と鮭……。藍数珠は、「藍」に染めた「木」のこと。言い換えるなら、「愛」に染めた「気」だ。

「藍数珠(桐箱入り)」(5,060〜7,260円/木)
◎ポスター(1,980円)/ポストカード5枚セット(1,100円)
妖怪となった青乃助藤妄の姿を閉じ込めたポスターとポストカード。いずれもリソグラフ印刷で制作し、本個展が初お披露目となる。

左から「ポスター」(1,980円/リソグラフ印刷/サイズ:A3)「ポストカード5枚セット」(1,100円/リソグラフ印刷)
◎CD(2,600円)
個展の初日に青乃助藤妄とライブパフォーマンスを行う音楽ユニット「おいしいライフ」のCD。おいしいライフが「青鬼の息づかい」のために制作した、藍の染め音や楽器、声をミックスした楽曲が収録される。
◎チョガッポ(24,200円)
韓国の伝統的なパッチワーク布であるチョガッポ。韓国から京都に移住してきた家族が建てたギャラリー「sukumo」に携わるようになってから、その家族の血にも何か携わりたいと作り始めた。本個展で展示販売するのは、2024年春に制作した作品。

「チョガッポ」(24,200円/麻(古布))
◎衣服再生/再生衣服(13,200円)
青乃助藤妄の活動の中心でもある「衣服再生」。これは、衣服を藍で染め直して再生させるリペアの活動で、2018年よりスタートした。
持ち込みの衣服を再生する「衣服再生」は、本個展でも枚数限定でオーダーを受け付け。価格は、綿/麻 1g=50円となり(例えば、120gのブラウスの場合、120g × 50円 = 6,000円)、見積もりや染め方は、相談しながら決定していく。
また、会期中、青乃助藤妄が某フリマアプリで購入した古着をあらかじめ再生させた「再生衣服」も展示販売する。
*「衣服再生」は、完成後のお届けとなります。お代もその際にいただきます

「再生衣服(古着を藍染したもの)」(13,200円/綿や麻)
◎ナム(2,090〜8,800円)
仏壇離れから木彫りのパーツが倉庫に眠(ナム)っている(ねむ〜)。本作品は、そんな木彫りパーツを藍で染め、新たな命を吹き込んだもの。生と死が生き物に力をくれる。

「ナム」(2,090〜8,800円/木彫り仏具)
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青鬼の息づかい
会期:3月20日(木・祝)〜30日(日)
13:00 – 20:00 (土・日曜は13:00 – 23:00)/定休日は月曜
入場:無料(ワンドリンク制)
*初日のライブパフォーマンスはチケット完売
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青乃助藤妄
2017年 徳島藍住町 本藍染・矢野藍秀氏に師事。江戸時代から続く天然灰汁醗酵建ての技術を守り藍が身近な暮らしにもどる日を望み活動。
京都・東寺エリアに藍甕ひとつ身ひとつの染羽め場を持ち、衣服を染め直す「衣服再生」を主に、暖簾製作や自身の作品つくりに日々努める。2024年より藍と藤妄から生まれた「妖怪」をスタート。